Monster X / Hunter

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Tigerbeat6、Bedroom Research、Peace Offといったアンダーグラウンド・シーンのトップレーベルから革新的な作品を発表し、世界中のエレクトロニック・ミュージック好き達から大きな支持を受けているエレクトロニック・アーティスト"Monster X"が初のオリジナル・ミニ・アルバムをMURDER CHANNELからリリース!

超次元電子音楽が満載の衝撃作!エレクトロニックミュージック愛好家は絶対マスト!!!

アーティスト:Monster X
タイトル:Hunter
レーベル:MURDER CHANNEL
品番:MURCD-035
フォーマット:CD

Track List

01. Hunter
02. Rise of the manatees
03. Even our gods dance to a new song now
04. Flesh room
05. Smash
06. Eradicate the opposition
07. Sfom (CD Bonus Track)

アルバム試聴

彼のサウンドを聞いていて感じたのが、名門「Ninja Tune」からアルバムとMIX CDをリリースしているKing Cannibalとの質感が似ている点だ。
しかしそれは、Monster Xが、キャニバルも所属していた「Combat Recording」のレーベルオーナーであり、アーティストのStormfieldとのインダストリアルユニット「Fausten」での活動もある事で合点がいった。

緻密でいて、ブルータル。不規則なリズムパターンを多く使いながらもしっかりと
グルーヴがある。IDM、ガバ、グリッヂ、ブレイクコア、ダブ、モジュラー・ノイズの
高次元ミクスチャー・サウンドだ。

冒頭から不穏なシンセパッドに、否応無しに期待が高まる、グリッヂ、硬質なリズムの乱れ打ちに早速ノックアウトされるタイトルナンバー "Hunter" (M-1)。
初期ミスター・バングルを打ち込みで再現したかの様な、先の展開が全く読めない
グリッヂコア "Rise of the manatees" (M-2) 。アナログシンセを多用した、愉快な悪夢 "Flesh room" (M-4) 。
このミニ・アルバムの中でも最もテンションの高い "Eradicate the opposition" (M-6)は
確実にフロアを狂乱の渦に叩き込む。電子変調されたヴォイス、縦横無尽に飛び交う
グリッヂ・ノイズ、4/4にも変化する硬いキックに暴走する切り刻まれたブレイクビーツ!これにハードコア・サウンドの未来を垣間見た気がする。マストです。

ラスト "Sfom" (M-7)はこのエクスペリメンタル・ハードコア・ショウの閉幕に相応しい、
BPM遅めの4/4ナンバー。モジュラー・シンセのリッチなノイズが効果的だ。

このミニ・アルバムは挨拶状にして、Monster Xの魅力を余すところなく伝えてくれている。聞けば聞く程に良さが増すというハードコア・サウンドでは珍しいタイプのスタイルであるところも付け加えたい。

出来れば、このようなアーティストのファンに是非とも聞いて頂きたい!と締めたいところなのだが、キング・キャニバルがうっすらと思い浮かぶぐらいで他に出て来ない。
それくらいオリジナリティーに満ち溢れ、今後のハードコア~エクストリーム・シーンを
押し進める存在なのだ。

とにかく出来る限りのボリュームで聞いて頂きたい。そこには未知の世界が
広がっている。
- Text by GEODEZIK


Monster X "Hunter" comment from Miii

 空恐ろしい程の静寂の暗闇の彼方から、得体の知れない巨獣が飛び込んでくる。イノシシのようなフォルム。皮膚は煤けた肌色が斑になって見え、ところどころにピンク色の肉がむき出しになっている。4足歩行で走ってくる”それ”の背中には、巨大な鎖が何十にもなって絡まり、まるで鎖帷子(かたびら)のようにその肥った肉体を抱えこんでいる。顔面を見れば、脳天から右頬にかけて、鉄をひん曲げたようないびつの銀色の仮面によって覆われ、隠された右目の位置には不気味な紫を湛えた光が覗いている。口からは無色の液体が垂れ落ちる。油だ。充満するは、血なまぐさい匂いと、オイルにまみれた機械の香り。

 その巨獣は、息を荒げ、油の匂いをさせながら、僕の目の前でゆっくり静止する。緊張の中での静寂は、一瞬のようにも思えて、気づけば数分も巨獣と対峙し続けているようにも感じられたが。ふとその瞬間に、咆哮が僕の耳をつんざく。それはむしろ叫びというよりは、機械の身体から発せられた鉄と鉄が擦り合わせられるような轟音と、デジタル化されたノイズのように感じられる。

 巨獣は暴走を始める。その巨大なボディの中核に大量に仕舞われていた、錆びついたアーム状の機械が、皮膚と肉に開けられた穴から盛大に伸縮を始める。巨獣は明後日の方向に走り始め、静止し、叫び声を上げながら、複雑にいくつものアームを展開させる。それに染み付いた油と血の香り。肉をまき散らしながら、また別の方向に走り始める。急発進と急停止、辺りには猛烈な悪臭と機械と肉の破片が雑多に飛び散り、また破片たち自体も”モンスター”の劇的な行動に興奮しているかのように、自らノイズを発し始める。

 それを眺めて、最初、暴力だ、と思う。いや、もっと本能的な行動意識の羅列だ、そう認識する。繰り返される、急発進と急停止。そのランダムで無意識的な暴走意欲がむき出しになっている。あの巨獣はそんな存在の象徴なのではないかと、認めたくなる。あるいは多分、この空間そのものが地獄で、僕はそこに落とされたのだ、と思う。

 何か不思議な熱を胸に湛えながら地獄絵図を眺めるその刹那、肉片が、ぎょろ、と僕を見つめたような気がする。無論、そこには目も無ければ視線も無いのだが、意志はもしかしたらあるのではないか。そう疑ってしまう。僕の細胞が共鳴するかのように疼いているのが分かる。額から静かに汗が垂れ落ちる。そういえば、やけに熱い。さっきは感じていなかったはずの体温。

 長い恍惚にも似た熱気の中、ふと気付くと、いつの間にか静寂が再び空間を支配している事に気づく。モンスターはいつの間にか消滅し、おびただしい量の肉片と機械片だけが、広い空間の中に取り残されている。最後に、頭の上半分だけを残し、果てには眼球と鉄仮面だけになったモンスターが、最後の一滴まで腐った血を地面に擦り付けながら、僕の目の前に転がり込み、停止した。不気味な目の光だけは、なぜか最後まで消え失せることが無かった。茫然としながらその光を見つめ返すと、光は完全に僕を捉え、僕の顔を不気味に照らしていた。気付けばびっしりと流れていた手汗には、確かに血なまぐさい鉄と油の臭いがした。
- Text by Miii

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